HOME > 調査技術 > TEM法電磁磁探査

TEM法電磁磁探査

当社では、三井金属資源開発(株)の協力のもと、TEM法電磁探査の調査サービスを行っています。
TEM法電磁探査は、地表に設置したループ状のケーブルに直流電流を流し、人工的に電磁場を生成させた後、その電流を急激に遮断することで地下に渦電流を発生させ、そしてその渦電流の拡散する様子を地表に設置した磁力計により測定し地下の比抵抗探査を行う手法です。
適用分野としては、地質構造、鉱物資源、地下水資源、塩淡水境界、トンネル地山、断層、永久凍土など非常に幅広い利用がされています。

TEM法の原理

TEM法の測定装置

TEM法の調査は、その目的や対象深度により、利用する調査機器が異なります。
当社では地下水調査などで必要とされる地下数100mまでの調査を行っており、地熱や石油資源を対象とするような1000m以上の深度に対しては三井金属資源開発(株)が担当しています。

地下ダム調査へのTEM法の適用

アラブ首長国連邦では、過去数10年間の農業開発の著しい進展に伴い、過剰な地下水資源開発も引き起こされました。このため、井戸の枯渇、地下水位の低下、水質の悪化などの地下水障害が報告されるに至ったのです。
Al Ain市を中心とする東部地区では急激な人口増加によって、過剰揚水のレベルにあると考えられています。
一方、乾燥地帯での地表ダムは、少ない降雨量、大きな蒸発量や堆砂量、水草の繁茂などによる結果、十分な効果が期待できません。

そのため、Al Ain市近郊Kahil地域において地下ダム計画予備調査を実施しました。
調査目的は、地下ダム貯水域並びにダム軸予定地周辺の地下の不透水性層の構造を把握し、地下ダム周辺の地下水流路を予測し、地下ダム設計の資料を提供することである。
砂漠地帯における水理学的調査としては、電極接地を必要としないTEM法が有効なため、本調査で適用されました。

得られた比抵抗構造は8本の調査ボーリングデータと比較した結果、10Ωm以下の低比抵抗基盤層がシルト・粘土層からなる不透水層とよく一致し、地下ダム設計のための不透水性層の構造を抽出でき、その上部には帯水層も捕捉されました(物理探査ハンドブック:和田,1998)。

TEM法調査による基盤深度はほぼ5m以内の精度で解析されていました。
さらに、この比抵抗基盤の形状は下図の鳥瞰図にも示すように東側上流部から西側へ徐々に標高が低下し、地下水を集積する天然の水盆を形成していることが判明しました。
また、これらは部分的には多孔質な石灰岩と予想される基盤の隆起部も見られますが、全体的には止水壁建設に有効な基盤形状を呈しています。
一方、電極設置を必要としないTEM法は砂漠地帯において非常に有効であることが確認されました。